相棒 シーズン8「さよなら、バードランド」

鈴虫の鳴きしきる山中にある瀟洒な建物のそばで車から電話をかける青柳という男(大浦龍宇一)。


青柳がかけた先の宿には三人の男たち。彼らは青柳を含めて大学時代ジャズバンドの活動をしたいた仲間で、この日はいわば同窓会で青柳を待っている。


そして別の場面で、一人の男が殴り殺される。


杉下右京(水谷豊)と神戸尊(及川光博)が登場。いつも颯爽と車で登場のはずがなぜか歩いて、しかも神戸は大きな荷物をかっこわるく抱えている。二人の会話によると、何かの事件の証拠品を提供者に返しにきたらしい。荷物は陶製の古びた福助人形で、かなりの貴重品だから神戸の乱暴な運転では壊れるといけないとバスで来たとか。(この設定に一人爆笑。車の方がどう考えたって安全じゃん?)


上の四つの場面が、一点にひきよせられ、”鈴虫”から右京さんのひらめき推理が輝き、バンド仲間だった四人の男のなかの二人による交換殺人が明らかになる。ネタバレになるので細かいことは書けないが、バンド仲間にはピアノを弾いていた女性がいて、事件の根底にその彼女をめぐって男の切ない浪漫な心情が浮き彫りになるのだ。
一見己の利害のために殺人をしようとしたかに見えた青柳が、深い優しさをひそめた手段で青春時代にマドンナだった人を守るのだが、大浦龍宇一がその青柳をクールに演じていたのが印象的だった。


ところで、右京さんと神戸さんのコンビ、二作目だが、例えば、バスに乗り遅れる場面で、「薫ちゃんだったら何が何でも頑張って駆けて、右京さんをバスに乗れるようにしただろうな〜」と思わずにやにやとしてしまう展開で、右京さんのトホホホぶりと神戸さんのケロリぶりが可笑しい。
及川光博の相棒ぶり、存在感は右京さんとはや互角で成功ですね。