NHK大河ドラマ 天地人 第七回 母の願い

上杉は北条や信長への牽制など重要な局面を迎えていたが、兼続(妻夫木聡)はひたすら寺での蟄居生活である。そんな中、母(田中美佐子)が危篤という知らせが。兼続は、まるで強迫観念に縛られているように、「行かない」と言うが、和尚(加藤武)に一喝され、母の元に駆けつける。


母は瀕死のなか、兼続とわかり、手を握り締めて何か言いたげにするが死んでしまう。
母の死に間にあったとはいえ、具合が悪いと弟の与七(小泉孝太郎)から聞いていたにも関わらず会いに行かなかったことや、母が最後に自分に言いたかったことは何か、などが気になり物思いに沈んでいる兼続。
ちょうどお船常盤貴子)が40日の法要に来ており、兼続は父に言われてお船を峠の頂上まで送る。
紅葉が色鮮やかに秋の色に染まっている。花びらが降るように落ちてくる真っ赤な紅葉の葉。降りしきる葉の中に浮かぶ亡き母。「紅葉は幹を守るために自分は散る。与六も紅葉のように生きるのです」と母は諭す。


こうしてやっと、兼続は無明の闇から出口に向おうとできるようになり、武将としての成長の階段を昇ったのだ。妻夫木聡田中美佐子の静かな自然な演技が、この重要な回を成功させたと思う。