ばぁば、うち、わるいことをした
しばらく前から、般若心経や弘法大師にまつわることを読んでいて、ごく最近は高史明の親鸞論を読み始めた。
自分ごときが読むのだから、それで気持ちが安らげばいいな、というぐらいの取り掛かりだったのだが、これが読んでいくうちに、安らぐどころか、自分が生きる価値も甲斐もない人間だと思い知るばかりになっていくのだ。
例えば、こどもの頃、実母を早くに亡くした私は祖母に守られて育ったのだが、その祖母にわがままのかぎりをしてきたこと、祖母がずいぶんと悲しんだりがっかりしたんだということなどが、しんしんと胸にしみるのです。
「ばぁば、うち、わるいことをした、こらえてやこらえてや」と泣いて謝ったりする。それがどうにもならず切なく寂しい。