介護の後

高校時代からの親友と電話でちょっと長話しをした。彼女はお母様とご主人の介護を長く続けて、今は独り暮らしである。私も父と夫の介護を続けてきて今は独り。同じだ。


彼女が言った。

「おばあちゃんと私の部屋に繋いでいたブザーを片づけたの。おばあちゃんがボタンを押したらブザーが鳴って、すると夜中だろうと明け方だろうと起きていったブザー。それを片づけて、思った。”やっと楽になった”って」


「うんうん」と頷きながら、心の中で彼女のために喜んだ。長期間来る日も来る日も眠れない辛さは言葉になど尽くせない。


私はまだ楽にならない。悔いが深すぎて。

家庭を捨て行かれる動物だらけにしてしまった家族への悔いは、何度生まれ変わっても消えないだろう。


それだけ重いい事態を背負ってきた30年近くであった、ということだ。捨てる人たちは露も考えもしないだろう。


言わずもがなだが、動物たちには何の責任もない話だよ。