物置を壊したもの

庭の隅に四畳半の広さのプレハブの物置がある。もともとは猫の遊び場として置いたのだが、2004年に友人たちと、森のおくに捨てられた子猫を探しに行く少年のミュージカルをやって(埼玉藝術劇場で2回公演満席!)、その時使った荷物を押しこんだのを契機に不用品の置き場になり、やがて近隣の猫猫猫たちの餌場になっている。


この物置が解体寸前である。
犯人がいる。


まず最初に傾かせたのは、物置のわきにはえてきた名も知らぬ森の樹である。
小さな芽が出て細い木に育ち、「ナンダロナンダロ」と思っているうちに、物置に近い住居の二階の屋根を覆うほどになってしまった。
所迷惑なので切ってもらおうと思ったが、その時点で8万円と聞き、余裕ができたら、とそのままにしていたら、三年経った今8万円では無理になった。


次はかの地震とその後も続く余震である。震度6の揺れにも一応耐えたのだが、ひと揺れするたびに傾きがひどくなっていく。


決定的に壁がバラバラになりそうなほどにしたのは犬のオリョウである。こいつが壁の端っこを銜え渾身の力でギコギコ引っ張り、ついに板と板の間が数センチほどづつ開き、今や住居にドドドドーと倒れそうになっている。


結局、物置解体の主犯は犬のオリョウということかな?(主犯と言うのではないか)


でも一点、いいことじゃないかなぁと思うことがあった。

相当数いるようだったネズミが(猫のための餌を複数匹で食べているのを私ミタ!)すっかりいなくなったのだ。(ベツにいてもよかったんだけども・・・)