警戒区域の動物たちを見捨てない!デモに参加してきました

このデモは、置き去りにされて餓死するなど、悲惨な死を遂げた動物たちの追悼集会でもありました。
中下僧侶さんの読経からはじまった追悼集会はとても意味があると思いました。中下僧侶は、実際に被災の地で、犠牲になられた人々のために読経をあげられ、そして置き去りという苦泥のなかで息絶えたたくさんの動物を目の前にされた方ですので、その経は真実の響きをもって街に空に届いて行く感覚を受け、私も涙が溢れるのにまかせて心の中で真摯に祈りました。
主催者の挨拶
被災地での悲惨な様を語られる僧侶の中下さん
デモ出発前の参加者の皆さん
友人のノエルさん 彼女は日本語・英語のプラカードを手作りして友人三人と参加

デモを主催された皆さんは、苦しんでいる動物たちをなんとしても救いたいというその一心で行動をされていらっしゃるのがわかる、心のこもった進行をされていて、そのことにも大変感動しました。参加者数も想像以上でまた熱意にあふれていました。

警戒区域の動物見捨てるなー!とシュプレコールをしながら渋谷の街を


特に私は、南相馬市小高区の吉田美恵子さんのメッセージを読み上げられた時には、五感が震えるような熱い感情がこみ上げました。このメッセージを県や国の方々はどのように受け取られたでしょう。
吉田さんの言葉は淡々としていましたが、猫たちへの痛恨の極みの切々たる思い、救いたい、救ってほしいという身を切るような願いの深さの前に、動物救済の政策を無視してきたことをわずかでも悔いられたでしょうか。動物救済をしなかったことは、人間の尊厳をもこれほど傷つけたとわずかでも感じられたでしょうか。

私はさまざまな思いを抱いて帰宅しまして後、あらためて、今苦しんでいる動物たちが救われることを心から祈りました。

主催をされた皆様、中下様、そしてこの日お会いした皆様、ありがとうございました。私は個人でツイーターを見て参加したのですが、このデモを計画して下さったこと、本当に感謝しています。チラシ配りを少し手伝っただけで何もお役に立つことはできませんでしたが、皆さんとデモしながら一生懸命祈りました。
これからも、動物たちがこんな悲しみ苦しみにあうことのない社会になることを心から祈っています。

中下僧侶さんのブログ→http://ameblo.jp/inochi-forum/entry-10885417447.html
デモを主催された会のブログ→http://animaldemo.blog.fc2.com/

南相馬市小高区の吉田美恵子さんのメッセージ>(基本的には原文のままですが、明らかに脱字とわかる箇所の修整と、読み易くするための改行は行っています)
警戒区域に残された動物を”救済して下さい
皆さん、こんにちは。私は東京電力福島原子力発電所から17キロの所に住む、南相馬市小高区の吉田美恵子です。小高区全域が20キロ圏内になっています。


2011年3月11日の東日本大震災の大地震・大津波に続く東京電力原発事故で、20キロ圏内の住民は、とんでもない悲惨な状況におかれています。
地震発生直後、原子力発電事故がおこり、3月12日、20キロ圏内に避難指示がでました。が、室内でネコ9匹を飼っていた私は、すぐ避難できず、3月19日、自宅に来た自衛隊員に促されて避難しました。
ペットは持っていかれないと言われました。
その時、どうして良いかわからず、判断ミスをしてしまい、戸を開けて、猫を室外に逃がしてしまいました。室内においておけば容易に保ゴできたのにと悔やみました。


3月19日からよりきびしい警戒区域になる。4/21深夜までは避難所から、1日あるいは2日おきに、自宅に行って、えさと水を与えていました。この間、逃げていた9匹のうち5匹はつかまえて、動物愛護団体に預かってもらっています。2匹は室内に残っていて、1匹はこの騒ぎの中死亡し、1匹は今だに外に逃げています。ふだんなら簡単につかまえられるのに、動物も異常と察していて、こわがっていて、つかまえられませんでした。
4/22から警戒区域になる前の4/21深夜11:00頃、心配で自宅に行きました。室内に2匹の姿を確認しましたが、おびえ切っていて、つかまえられず、心痛で帰ってきました。


4月22日からの警戒区域になったのは、前日の4/21に知らされました。
何事も悪い知らせは突然にやってきます。
自宅に行かれなくなりました。保護できなかった動物たちにえさ、水を与えに行くため、許可証がほしくて南相馬市長にも直訴しました。市役所の職員にも、その上司にもおねがいし、相双保健所にも行きましたが、自宅に行くことはできていません。


避難所には、20キロ圏内の自宅に動物・ペットをつれ出せなくて、仕方なく置いてきた人がたくさんいて、心配と心痛で、夜ねられない、食事もとられないと、病んでいる人がたくさんいます。
こういう人たちの情報をすくい上げようと、「20キロ圏内で、動物のことで心配な人へ」というプラカードを作り、南相馬市役所の前に立って、プラカードを見せています。
4月30日から始め今まで33人の人の情報をすくい上げ、その日の活動終了後、市役所2Fの災害対策室の担当の人に上げ、えさと水をやってくれるよう頼んでいますが、今だにやってくれません。


4月22日の立ち入り禁止より5月8日で、17日も過ぎてしまいました。一刻の猶予もありません。
20キロ圏内にとり残されている動物たちを助けて下さい。すぐに救助の手をさしのべて下さい。彼らも同じ生きる仲間で、彼らのいのちも尊いです。


どうか動物のいのちも尊いと思って下さる皆様、20キロ圏内にとり残されている動物を救って下さい。今すぐ、水とえさを与えて下さい。

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<私からどうしても言わずにいられないこと>
■国も県も行政も、少なくとも動物に関わることでは大ウソつきだ、ということ。
吉田さんがプラカードを一人もち、市役所の前に立ち、とり残されてるペットの情報を集め、餌と水をやってほしいと陳情されていることにも応えない、その姿勢は、結局、大うそつきの欺瞞を絵に描いたようなものですね。
なぜなら、動物行政が出しているチラシやポスターになんと書いてあるか思い出してみましょう。
”ペットは家族です。終生責任をもって飼いましょう”・・・と書いてあるでしょう?!
今回の震災で、彼らはこのチラシやポスターで啓蒙・指導してきたことは大ウソだ、ということを知らしました。
今後日本の動物愛護精神は決して育たないでしょう。なにしろみんなわかったのですから。ウソを書いているのだと。

私個人もウソをつかれた思いで歯ぎしりをしている。私は何度も県に、今回の震災の動物の件で電話で問い合わせた。そのたびに彼らは言った。「職員は餌をやってまわっている」と。・・・信じた自分が悔しい、悲しい!


■それでも、伏してお願いします。
国よ、県よ、行政の皆様よ
今飢えと不安と寂しさに苦しんでいる動物たちを救う英断を決め、すぐに救出行動を起こしてください。どうかお願いします!


■この後の動物行政の真の命を守る、人間の家族、ということを通すべく、普段の動物行政のありかたを考え直し、かつ災害時にそなえて、愛護団体・個人・国・行政が連携する体制作りに着手して下さい。