菅首相への提言

拝啓 菅首相
人間救出が第一なことはよく理解できます。だからこそ動物の救出も大事で意味があることです。人間優先だ動物などという意識こそ人間社会の精神性も含めた進化を閉ざすものですから。人間と動物が同じ地平に生きている同志であると体感的に感受する者としてこれを提言します。


封鎖されたまちの動物も含めて、動物救済のための責任者を任命してください。その責任者がそれぞれの地域の動物救済の責任者を任命します。この時点で、各地域の救済行動のリーダーは、自衛隊と愛護団体、活動する個人が入ります。A団体はどこの地区の牛舎、B団体は別の豚舎、犬や猫の保護世話はC団体などと担当を決めていく。

そこで餌を配布するもの、世話をするものなど、細かく担当を決め、引き受けた者は定期的に責任を果たしていきます。活動費は義援金から公正に配布される。地区の牛舎、豚舎などの全体を把握して漏れないよう分担していけば、動物たちを餓死させることはないはずです。

こんなこと私などが稚拙な文で提言しなくても、当然わかっておられることは百も承知で申しています。やると決めて下さい。これをせずして人々から送られた動物支援の義援金をどこにどう使うのですか。救出の費用があり態勢ができたら、動き出す愛護団体や心ある個人はもっと増えるでしょう。どうか、人間優先という大義のもとに動物を見捨てるのではなく、やれることをやってください。
菅首相、今や被災した動物たちの命はあなたの集中にあると言っても過言ではない状況なのです。

人間の幸せのために食肉になり、医療の実験に使われ、人々の魂を慰めてくれた動物たちが、今、この世の想像を超えた苦痛のなかにおちて救いを待っているのです。彼らを、今こそ助ける時ではありませんか。

佐々木和恵