遺留捜査「母子手帳と裂けたおみくじ」

震災以後、さまざまに感じることあり、なかなかドラマを観ようという気持ちになれなかったのだが、先週から始まった上川隆也貫地谷しほり佐野史郎出演の「遺留捜査」を観始めた。

上川隆也は、私がここ数年の間にたまたま観た作品の役は、善でも悪でも内に強いパッションを潜めた男でそれがまたはまっていたが、この遺留捜査は、内にも外にも他者に対して挑戦的な感覚をもたず、かといって誰にも支配されることはなく、牧草のような純朴さのままの自由人といった役どころを、自然体で演じており好感をもった。
またこのドラマの軸になっている『被害者が心を遺しているものを通して犯人にいきつく』ことにシンパシーを感じる。

今週のそれは、赤ちゃんを遺して殺される若い母親がもっていたちぎれたおみくじを通して、家族やまわりからよく思われていなかった女性の懸命に生きようとしていた姿が浮かび上がってくる。