老いた森の王者「ニャンタ」のまどろみ・・・「風立つままに 目次」より

14年前、同じ毛並みをした幼い三匹のきょうだいと思われる猫が森に現れ、おずおずと森の食卓に寄ってきた。
メスのモリとネコと、そしてオスのニャンタであった。半年ほどして、若猫に成長したニャンタは姿を消した。
残されたモリとネコは、森の食卓を中心にしてのうのうと森で生きた。だが、10年目の前後に
あいついで非業の死をとげる。(モリ2005/12/6 ネコ2006/2/18)


ネコの死んだ後、10年ぶりにこの写真のニャンタが森に戻ってきたのだ。同じ毛色の猫は多いのに、なぜニャンタと
わかったかというと、この猫は、夕方の食事を配っていた私のほうに、迷わずひるまず小走りに来て、
さもさも懐かしそうに「ニャァアアア〜ン・・・ただいま〜」と挨拶をしたのだ。


それから4年経った。ニャンタは15歳になろうとしている。野良として生きている猫にしては長命であろう。
今年の猛暑をくぐり抜けてきたニャンタはさすがに老いを感じさせるようになった。
ニャンタや森で生きる他の猫のために用意したコタツの上で、
秋のひとときをこんなに無防備にくつろいでいる。


いつまでもいつまでもいつまでも・・・長生きしろよ、敬愛するニャンタじいさま。