新・警視庁9係「歩く死体」

タイトルは「歩く死体」とおどろおどろしいが、人知れぬ純情のために死んだやくざな若者の哀しい話である。

実際にこういう事件があったら、刑事たちは、この犯人と目された若者を、こいつはどんなに踏みつけてもいいとばかりに扱うに違いない。この世はそのようになってしまっているのだ。

9係の刑事たち(渡瀬恒彦羽田美智子、井ノ原快彦、吹越満津田寛治田口浩正)はそういう現実を正義の風でもなく重い風でもなく、ひょうひょうと受け止めていく。そのひょうひょう風がいいんだな。