臨場「カウントダウン〜タロが報せた死」

一人自宅のソファで死んだ老人(織本順吉)。検視官の倉石(内野聖陽)は市ノ瀬渡辺大)に見立てをさせる。市ノ瀬は内臓疾患による孤独死と検視する。だが倉石は犬のタロ(カイくん)が水を飲んだりフードを食べられるようになっていたことから、単純な孤独死とは思えない。
やがて解剖の結果すい臓がんで余命半年だったことなどもわかり、一課の刑事(高嶋政伸)は、老人は自ら死を選んだという見方に傾く。そして訪問介護のヘルパー(中島ひろ子)が自殺ほう助をしたと見る。それは老人の遺書に、ヘルパに三百万円を渡す、という遺言書があったからだ。

結局、老人は、娘ふたりから家を売るように言われ、家族が長年暮らし、自分の特等席ともいうべき場所を奪われる寂しさや絶望感で、自分ひとりで自殺をする準備をしたのだった。


私は率直にいって、今夜のこのドラマは筋立てに関してはあまり胸を打たなかった。長年夫の自宅介護をしてきて、夫を見送ったうちで簡単に受け入れられないものがあったからだ。
だが、織本順吉さん、中島ひろ子さんたち出演者の説得力のある演技は迫ってくるものがあって、胸が痛くてたまらない気持ちになった。
毎回どちらかというと、能動的な印象がもてなかった渡辺大が力を示していたことにも感動した。ところがもう今回で出番が終わったんですね。残念!