臨場「似顔絵」

ホテルの浴室で自ら首を吊ったがロープをかけた棚が壊れて壁にもたれた姿勢で死んでいる男性を、この男性をマークしていた刑事(川野太郎)が見つけるところからドラマははじまる。
部屋から出ていった女性の目撃者がいた。ホテルの部屋の清掃をする女性である。そしてこの目撃者の証言通りに似顔絵が作成された。誰もが驚くよく描けた絵で、すぐに第一発見者の刑事の妻とわかる。

似顔絵があまりにはっきりとよく描けていることに拘りはじめたのが倉石(内野聖陽)である。一瞥しただけでこんなに明確に特徴を言えるのはおかしいというわけである。

結局、ここから、目撃者ー第一発見者の刑事ー刑事の妻ーホテルの浴室で死んでいた男の関係が明らかになり、真犯人がわかるのだ。

これらの入り組んだ人間関係の物語のなかで、それぞれの弱さ、傷、痛みを浮き彫りにし、倉石の推理や発想は愉しく、部下の松下由樹渡辺大の反発や戸惑い、やっぱりかなわんという感じが面白く、総合的によかった。

だが一点、『倉石検視官がこんなことするなんてぇ、プンプン』と思った箇所があった。それは金魚である。前回、亡くなった警官の娘さんに買ってあげたが反対に貰ってしまった赤い金魚。あの金魚を倉石さんは、丸い金魚鉢に入れて飼っていたのである。生き物や植物に愛情を注ぐ倉石さんが丸い鉢に金魚をいれるなんてこと有り得ないっしょ! 金魚にとって(魚全般)丸い鉢は虐待に等しいのだそうですよ。常にストレスを与えるのだそうです。
ぜひ、四角い大きな鉢に入れてやってくださいませ。