臨場「封印 後編〜警笛の秘密」

前編では、公園で拳銃自殺をした交番の谷本巡査(蛍雪次朗)と、元自転車競技の選手だった男が他殺体で発見されたことを軸に、検視官の倉石(西野聖陽)が検視の上の事実をもとに、一人息子を自転車で失踪してきた男によって死なせた夫婦の物語を浮かび上がらせるが、すべては解決したかに見えて、自殺した谷本巡査の警笛がなくなったままであり、今日の後編を迎えた。

そして、その紛失した警笛が大きなキーワードになって、前編で自殺した谷本巡査を巡る別の殺人事件が見つかり哀しい真相が明らかになる。
再放送を楽しみにしている人のために、はっきりしたネタバレは控えるが、谷本巡査、谷本巡査の娘絵梨華(金沢美穂)、谷本巡査と同じ交番に勤務する若い巡査それぞれの想いや人間性を描きながらの謎解き、面白かった。

ただ、谷本巡査が、若い巡査を”同じ家に暮らす家族のような”と語りその気持ちには共感するのだが、殺人という罪まで被ろうとするのは、胸の腑に落ちてはこなかった。いくら自分が病に冒され余命わずかとなっていたとしても、まだ高校生の一人娘のことを考えると大分無理がある、と思った。

だがラストに、頑ななだった娘が、自殺した父が殺人犯人と警察から睨まれていたのを、倉石によって真相が明らかなり、「お父さんを助けてくれてありがとう」という言葉があったことで、観客の自分の気持ちは納得した。