冬の危険を認識し、足湯などを試みる

認知症と診断された人みんながそうであるかどうかはわからないが、夫の場合、自分の体調に変化があったとしてもそれを私や他の人に伝えることをしない。せめて頭が痛いとか、胸が息苦しいとか、自分の身に感じることを言ってくれると、介護者の私としてはそれなりの対応ができるので助かるのだが。


一昨日の血圧と体温の低下は随分心配をした。この前の病院での検診で、「身体を冷やさないように」と先生が一般論的に言われていたことで、常識的に温かくする、という以上に寒さに気をつけなくてはならない、とやっとはっきり意識した。私はよく言えば暢気、普通に言えば肝心のことが抜けていて、自分の感覚を基準にしてそれでいいとケロリとしているところがある。とにかく私は寒さにも暑さにも強くて、少々の寒さ暑さに鈍感というのかなんだこんな程度、と平気なのである。怪我の痛さもそうだ。殆どのことを、「これは気のせいだ」と過ごしてしまう。それをそのまま他者にもあてはめて気遣いをしない。


でもこのたびの夫の体調の低下で、冬の危険をしっかり意識するようになった。夫が持ち直してくれたからこう言えるのだが、本当はとても危なかったのに違いない。


そこで介護のメニューに「足湯」を取り入れることにした。ちょうど犬のお風呂にちょうどいいと購入してまだ一度も犬に使っていない大きなタライがある。置き場所がないので購入したことを後悔して邪魔にしていたのだがよかった。
それを寝室に持ち込み、お湯を入れて椅子に座った夫の足をつける。
ところが夫は一分もつけていられない。ビショビショと湯を足ではねあげたり、出してしまったりするのでガックリであった。ま、焦らずめげずやっていくか。
冬を無事に越したらまた春を迎えることができる。ガンバロ。