相棒 8−4「錯覚の殺人」

今夜は冒頭から犯人が殺人を起こす。つまり視聴者は最初から犯人が誰かわかっているのだ。刑事コロンボ風ドラマである。こういうタイプの場合、重要なのは動機であるが、そこは『錯覚』をモチーフにして舞台はテレビ局、なかなか小粋な洒落た作りになっている。


出演は杉下右京(水谷豊)、神戸尊(及川光博)、他のいつものメンメンと、犯人の好田教授に近藤芳正
好田教授は現在テレビ局の事務系の仕事をしている元教え子の若くて可愛い恋人を、『自分のような年齢で容姿もよくない男に本当に愛情をもつわけはない』という錯覚(この私の説明では錯覚というより疑惑・嫉妬になってしまうが、ドラマではあくまで錯覚である)におちいって殺してしまうのだが、人がちょっとした言葉や状況を作り上げることによって簡単に錯覚する、ことを計算にいれてアリバイ作りをやっていき、完全殺人になるはずだった。だが、右京さんの何事も見過ごしにしない性格によって、たくらみはことごとく見破られていくのだ。


ところで私は思うのだが、右京さんを、『錯覚』という迷路に迷わせてみたらもうひとひねり面白かったのではなかったかなぁと。