期日前投票

今日(25日)役場に期日前投票をしに行った。30日の投票会場は車椅子の入れるところではないので夫は投票ができないい。役場に問い合わせたら、期日前投票なら役場のホールで行っているので車椅子OKということである。「1票を無駄にしてはいけないから行きましょう」というわけだ。


前の日に、県知事選も含めた候補者や党のチラシを夫に見せ、誰に投票するかを決めて行った。夫の認知症はかなりすすんでいるかに見えるが、自分が固執する事柄においてはしっかりした理由をもって筋道も立っているので、夫がどの党や人を選ぶかわかっているだろうと私は疑っていなかった。


ところが、会場で、夫は自身の署名ができないことがわかり(名前はわかっているのだが文字が書けない)、担当者が代理をすることになった。家族の私が押し付けるのではなく誘導をする場合でもだめらしかった。
担当の男性は、夫に、候補者や党の名前を最初から読み上げていき、夫がうなづいたところでそれを記入していった。私は夫は文字は読めるはずだから、読み上げるよりむしろ、夫に「これ」と指をさすように指示してほしいと思ったが、私が言いかけると、人や党を指定するつもりで口出ししようとしてると思われ、別の担当者に、「言わないでください」と拒まれてしまい何もいえず黙ってみていた。
名前を読み上げられると、小心な夫は最後まで確かめず、早いうちに頷くだろう、と私は思いながら見ていたのだが、やはりその通りで、人も党も、二つ目で頷いた。「えー! ウソでしょう!!」と思わず声に出してつぶやいてしまった。夫が健康であったら、死んでも選ばない候補者と党に頷き、それを書かれてしまったのだ。


「トホホ・・・無駄にしてはいけないと思って来たのに、選びたくない人と党を助けることになっちゃった」とも言ってしまった。
うなだれて帰った。(ほんとにトホホホホホ)


夫は自分が名前も書けず、投票の仕方も情けないことになった、という思いがあったようで、役場を出る前からがくっと落ち込んでいる風情だった。そのことが痛くて、「投票の責任を果たしてよかった、よかった」とさりげなく慰めたのだが、かえってそれがプライドを傷つけたようでひどく暗い顔色になった。寝るまでそうだった。・・・・・ま、でも、気にしても仕方ない。私もこれから寝よう。