感謝の日々

■猫の家にネット、犬の庭に砂利
お盆の前のことだが、猫の部屋になっている居間の前の庭の一部にネットを張ってもらった。犬の庭には砂利もしいてもらった。その作業をしてくださったのはご近所のNさん夫婦である。
Nさんが建築関係のお仕事をされていることを奥様から聞いて、ネット張りと犬たちの庭に砂利をしくことをお願いしたのだ。お若いNさん夫婦は我が家の犬たち猫たちの事情を聞くと、「大変ですね。協力しましょう」と言ってくださり、お盆の前の夫がショーツスティに行っている三日間をかけて作業をしてくださった。


猛暑の三日間を、小学生のお子さんを親戚に預けてご夫婦は汗びっしょりで費やしてくださった。
しかも実費に近い安価で、その上支払いは我が家の事情に合わせて分割でいいと言ってくださったのだ。
ぬかるみのようになっていた庭に砂利がしかれて犬たちは気持ちよさそうで、猫たちはネット庭に出られて本当にのびのびとくつろいでいる。その姿を見るたびにNさんご夫婦への感謝の気持ちがこみあげる。
本当に本当にありがとうございました。


■お惣菜
感謝といえば、先ごろ引越しで転出されたお向かいのKさんは、今も家庭菜園や野菜農家へのパートのために毎日のように来られているのだが、そのたびに手作りの惣菜をくださる。「犬の散歩とご主人の散歩に汗だくだくで見るからに大変そう。疲れるでしょう、これ食べてね」と。今日(26日)はししとう煮びたしをいただいた。ほんとに涙が出るほど美味しかった。感謝、という言葉を何千回出しても足りない。


■冬瓜
少し前のことだ。夫の車椅子を押してぼつぼつ歩いていた日の夕刻。こわもての大柄な男性が自転車で近づいてこられた。実はこの男性とは三年ほど前に大喧嘩をした間柄。うちの犬のリーが男性の家で飼っておられる鶏を殺してしまったのだ。この日リーを散歩させる時、ロープをつけそこねて逃がしてしまったのだ。このことと鶏を殺してしまったことは私が悪かったことで、それについてはひたすら謝罪したのだが、そのことと別の問題として、男性の言われたことに反論をしたのだ。しかもこの時、この人は数人の男性を引き連れて過剰に攻撃的であって、私はそれに対しても引き下がれない思いが強まり、男たちに囲まれながら相当強気な口論をしたのだ。


その後、鶏のことで私なりに深く謝罪し以後なにごともなかったのであるが、この散歩の時、その男性が黙々と近づいてこあっれたので、「???」と戸惑い半分の気持ちでその人の顔を見ていた。
すると、彼は自転車のかごから冬瓜をとりだし、「冬瓜は疲れがとれるんだよ」と言って差し出されたのだ。
私は嬉しくて、嬉しくて、ありがたくてならなかった。レシピも教えていただいた。
美味しかった冬瓜! 心の疲れまでとれました。


この冬瓜には後日談がある。
冬瓜をいただいた翌日、そこのお宅には小さなこどもさんがいらっしゃるのを知っていたので、小さな缶ジュースを何本かお持ちした。お留守だったので玄関前においてきた。この地域ではお互いに不在であった場合そうしているのだ。誰かわからない場合もあるが、それはそれでいいのである。

この日から数日後である。いつものように夫と散歩をしていたら、ある畑から一人の男性が出て、長靴をバクバク音たてながら私たちの方に走ってこられた。手には冬瓜が。そして、私たちに近づくと、「ジュースありがとうございました。これ食べてください」と冬瓜を渡されたのだ。
ジャニーズ系の爽やかな笑顔の少年である。あのこわもての男性のご子息である。小さい子、と思った子は三年経ったらこんな立派な少年になっておられたのだ。
この日の冬瓜もほんとにほんとにほんとに美味しかった。