天地人 二人の養子

若者たちそれぞれが、なに疑うことなく無邪気で楽しかった時代は過ぎ、二度とその日には戻れない、大人になる入り口。

景勝(北村一輝)、景虎玉山鉄二)ともに互いを疑ったり悪く思ったりするところはなく、純朴で品性正しき若者であったのに、景勝側では兼続(妻夫木聡)の父親(高嶋政伸)が、景虎側では北条時代からの重臣が、ひそひそと闇のささやきを吹き込んで疑心を植えつけていく。


それらは、自分らが仕える「殿」と「国・家」を大事に思うゆえなのだろうが、その「殿」は雪山を滑り落ちてゆくような痛ましい変貌をとげていく。戦国時代が舞台となるドラマではさけられないストーリーである。
それがかってなくむごたらしく感じるのは、玉山鉄二妻夫木聡のいかにも汚れのない爽やかな存在感によるものだろうか。景虎の妻、華姫(相武紗季)が懸命に夫を支えようとする姿も印象的だった。


景勝の命を狙って襲ってきた柿崎と斬り合う上田衆(でしたっけ?)の殺陣(春日山城への先陣争いも)は、なかなか重みと現実感あった。


人物のアップの顔がすうっと消えていく手法は、その人物の発したセリフの意味を位置づける上で効果があると思うが、使いすぎると鼻につく。