23日の午前中は他の人間には見えないものが夫には見えていて、その話をとりとめなくしていたのだが、午後に行った時にはうとうとと眠り続けていた。熱をはかろうとパジャマにさわると、汗でびっしょりぬれている。すぐに取り替えたかったが、点滴の針を腕に刺しているので困った。看護師さんに頼みたかったが躊躇した。


前の病院で、やはり衣服がぬれたままになっていて、着替えをさせたいと言ったら、険悪な表情になられてすくみあがってしまった。以後は自分で着替えをさせた。あの病院で出ていた下着とパジャマは袖口が広い作務衣タイプだったので、点滴をしていても私にも着替えをさせることができた。


あの、必要なことを頼んだだけでなんともいえない嫌な雰囲気が漂った(一部の看護師だったが)記憶が、今回の病院につながってきていて、看護師さんに頼みごとをするのが容易に出来ない。
それで、びっしょりぬれたシャツの下に、タオルを入れようと試みた。本人が眠っているのでなかなかスムースに出来ずもたもたしていると、一人の看護師さんが来られて、どうしたんですか、と問われた。
「シャツやパジャマが汗でぬれいるので・・・」と言うと、すぐにさわって、「あ、ほんと、びっしょりだ!」とびっくりされていた。そして新しい下着とパジャマの着替えをさせて下さった。とてもほっとした。


それにしてもなぜあんなに汗が出ていたのか? 熱はなかった。
夫の肺はボロボロだという。喫煙者に見られる肺なのだと。