もうひとつ気を取り直して、「蛇のひなたぼっこ」

ラジオの何かの番組で(子供相談室だったかな? 違うかな?)、誰かが、蛇がひなたぼっこをしていた、という話をすると、動物学者の先生が、「蛇はひなたぼっこはしません、絶対しません」とかなり強い口調で否定されたのを聴いたことがある。

そのことがずうっと気になっていた。
実は私も蛇はひなたぼっこをする、と思っていたからだ。

もう十五年ほど前になるが、犬の散歩をしていると、春の陽光が降り注ぐ草むらに、二匹の黒い蛇が並んで、とぐろを蒔いているところを通りかかった。
「あ、へびさんがひなたぼっこをしている」とその時思った。夫婦か親子か恋人同士か、二匹のへびのとぐろは大きさが少し違って、いかにも並んで春の陽ざしを浴び気分よさそうに見えた。

それから、やはり春に、陽射しが降り注ぐ道路に、長々と身体を伸ばしている蛇を何度も見かけた。車の近づく音か振動で驚いたように、身体を大きくくねらせて逃げるのがけなげで、いつも「ひなたぼっこの邪魔をしてごめんなぁ」と謝りながら通り過ぎたものだ。・・・でもこれはひなたぼっこをしてたというより、道路の熱を楽しんでいた、いわば岩盤浴みたいなものだったのかもしれない。

陽射しの中でとぐろを蒔いていたのも、ひなたぼっこではなく、別の意味があったのかなぁ?
生き物相談室があったら訊いてみたいもんだ。