ナムの最期

ナムの最期は、ほんとうにほんとうにほんとうに眠るような最期であった。
私は、二日間、時間さえあればナムの身体をさすったり、手かざしをしていたのだが、この朝も、ナムに手かざしをして、それから頭から尾っぽにかけてさすってやろうとして、ナムが息をしていないことに気づいた。


前の晩、真夜中に、ナムは自分で水を飲んだ。元気な時のようにゴクゴクと喉をならしてそれは美味しそうであった。私はとても嬉しかった。ナムが元気を取り戻したんだ、と感じたからだ。
ナムは水を飲み終わったあと、ゴボゴボと少しむせった。そこで私はナムの顔の下にペットシーツを敷いてやって、「明日は散歩に行けるようになるといいね〜」と言いながらしばらく全身をさすった。ナムは、ゆるりと尾っぽを振って、それから目をつぶった。それはいかにも気持ちよさそうに眠りに入った、というように見えた。


そして朝、ナムはそのままの姿で死んでいたのだ。