相棒「黙示録」

「冤罪」というものを、冤罪を作り出した側の人間(警察、検事、判事)と、無実なのに死刑確定になった者の家族の苦しみを通して描いたドラマで、以前に、石橋凌が判事になり、陪審員制度のドラマがあったが、それの延長線上にある。


6シリーズの最終回SP版の二時間ドラマであったので期待していたのだが、ラスト近くの、無実であるのに死刑囚となりしかも獄中で病死した息子の父親が、苦悩の末に、判事の石橋凌に、「赦します」と言う場面で失敗した、と感じた。あの場面が違うものになっていれば面白かったのに、と残念に思う。


こう言っては何だけども、和泉聖治監督、年とった? 赦しは、右京と薫の肩にのせたまま終わってよかったのではないかな。舞台仕立てで安易に赦しの場面をもったというのは、魂の老いぼれもの、って感じがしてなんか哀しかったゾ。寂しさも。
そのように見たせいか、右京さん(水谷豊)、薫ちゃん(寺脇康文)とも精彩を欠いて見えた。ファンとしては悔しかった。(それでも素敵だけど、ね)


でも・・・ラストに、「杉下の正義は時に暴走する」と言った岸部一徳官房長官に、薫ちゃんが、「右京さんは、判事を救った」と言うのだが、あの場面は生きていた。・・・ということは、やはり、冤罪の死刑囚の父親の”赦し”は絶対になくてはならないものになる。・・・・とすると、あの場面はあれでよかったのか・・・なぁ。
石橋凌判事は、全身に愚直者のペーソスを湛えて、目がピュアで素晴らしかったし・・・。


何はともあれ、五月公開の映画、そして次のシリーズ、楽しみにしています。