ディサービスを休む

夫は最近ディサービスに行きたがらない。いやなことがあるとか、あったとか、ということではないのだと思う。
夫は妙な癖をもっている。
物でも何かすることでも、「ぼくはあとでいい、お先にどうぞ」という”主張”をする癖だ。子供の頃からそうだったのではないかと思う。そうすることで、「エライねぇ、おとなだねぇ」とほめられ、それが嬉しかったり得意だったりしたのではないか、と思う節が見えるのだ。
それで私は、お菓子などいただく時、「君からどうぞ」と夫が言うと、「嬉しいわぁ、太っ腹でエライですねぇ」と大げさに喜んで先に手を出す。(私の見えないことろで、夫は私の分までみんな食べてしまうことも多々あるが)そうすると、夫はとても満足そうな顔になる。


施設では、たくさんの利用者がいらっしゃるから、「ぼくはあとでいい」と言ったら、「あ、そうですか」で終わるだろう。(当然です。それでいいのです)
夫には、「エライですねぇ」がついてこないというのは、不満なのだろうと思う。
なにか最近、施設から帰る時、満たされない表情になっていて、妙にはっきりと、「もう行かない」と言うのは、こういう面での、自分の存在価値の確認ができない歯がゆさがあるのではないか、となんとなく感じるのだ。


いろいろありますダ。認知症はこどもがえりのように言う人がいるが、ナンノ、そんな生易しいもんではありませんですだヨ。