知らせ

19日、熱が9度6分にあがった。さすがに苦しくてどうしようもなかった。20日に仕事でひたちなかまで行くので、それがきちんと果たせるか心配だった。
ところがそんなことが吹き飛ぶような知らせが入った。
次男が高校生の時、一緒に広報の役員をし、以後二十年を越える付き合いをしているSさんのご主人が亡くなった。
Sさんご自身からの知らせだった。
Sさんご夫妻は、ご主人が退職されてから岐阜の田舎で自然農法に挑戦されていた。ブームになる前から環境問題に関心を持たれ、自然の大切さを思っておられた。
Sさんがご主人を愛し尊敬されていることは学校で出会った頃から一貫してかわらず、私にはまぶしいものであった。
夫の調子がいい時に、一度一緒にお訪ねしたかったし、Sさんも折のあるごとにぜひぜひと熱心に言って下さっていた。とうとう果たせなかった。


ご主人はがんとの闘病の中、心筋梗塞も起こされ、入退院を繰り返しておられた。
亡くなられた前日、退院され、それは嬉しそうに窓を開け、愛犬と早速庭に出られたという。そしてこの日、また愛犬を庭に出され、ひとときそばにおられて、後部屋に戻られ、Sさんが薬をとりに別の部屋に行かれ、戻ってこられた時、眠るようなお顔ですでに旅立たれていたという。
彼女のその時の心中を思うと、涙がこみあげてこみあげていつしか号泣していた。


祈りたかったがどうしていいかわからなかった。これが私の懸命な祈りである。