夢二題

■そんなことくよくよせず、好きなように生きればいいさ
食卓に顔を伏せてうたたねをする。そういう時、食卓の向こう側に夫が座っている夢を見ることがある。
つい最近、うたたねが覚めて顔をあげると、黒地に赤い模様の入ったカーデガンを着た夫がいた。夫はほどよく太って顔色もよく健康的であった。そして声には出さないのだが、「そんなことくよくよせず、好きなように生きればいいさ」と機嫌よく笑った。・・・ここではっきりと目が覚めた。


私はもうネガティヴな思考にとらわれずに楽天的に生きていこうと思いつつも、捨て猫、犬のことで夫をはじめ家族からいい環境と安住感を奪った、という悔いにしばしばしめつけられて落ち込んでしまうことがある。
そんな時のこの夢は、結局は私自身の勝手な願望のあらわれに過ぎないのだろう。そう思うと苦笑がおきるが、それでも気分が軽くなってきた。



■薄い緑色の墨絵
寝室で眠っていたが、ふと目が覚めた。すると、長男の姿がない。「長男に布団もしいてやらず、放って自分だけ寝ていたんだ」と焦る気持ちがおきた。そのとき、救急車の音が聞こえたのだが、その音が、薄い緑色で墨絵風に描かれていくのだ。その墨絵にみとれていると、長男が救急車にのせられて去った。


この夢は、目下ある事態に対して長男のことをとても心配し、責任は自分にあることを常に重く感じていることのあらわれだろう。墨絵がえらく美しくみえたことが、目が覚めた後も救いのような感覚になって残っている。