もりたかけんちゃん あるいは やまだけんちゃん

「もりたかけんちゃん あるいは やまだけんちゃん」は、松山に住んでいた頃、長男が小学校一年生だった時のともだち。

小柄だったけど、いかにも筋肉が強くてばねがあって運動神経がバツグンという感じの男の子だった。スポーツはなんでも得意そうだったけど、特に野球が大好きだったよね。けんちゃんがバットをびゅんびゅんふって、得意そうにこちらに笑顔を見せていたのを覚えているよ。「すごいね!」というと、パアッと目が輝いた。

夏に海に行った記憶もある。でも泳ぎは上手だったかどうかは覚えていない。もしうまく泳げてなかったとしても、けんちゃんはきっと、水をこわがったりしないでおおいに楽しんだと思うよ。そんな子だった、なんにでも負けん気を出してむかっていくって感じだったよね、けんちゃん。

別れはあっという間だった。

「もりたかけんちゃん あるいは やまだけんちゃん」。

あることの君への深い深い悔いとともに、君のことを忘れたことはなかった。

元気にしてるかな。どうしているかな。長男の成長に合わせて、いつもいつも君のことを思い出していた。そして幸せをほんとにほんとに祈っていた。



どこかにいる「もりたかけんちゃん あるいは やまだけんちゃん」。

ずうううっと幸せでありますように。