龍馬伝「亀山社中の大仕事」

龍馬(福山雅治)が孵化したばかりの蝶の羽のような傷つきやすい心と、疑念をこんなもんだと見過ごしにできない精神をもって、いろいろな人に、「これはなんぜよ?」「どうしてこうなるがぜよ?」とあたっていた若い時期を過ぎ、新しい自由で心優しい国にかえていく時代の土台を作るために、実際的な力を見せる感動的な時代を描いている。

だが重厚な描き方ではなく、ボロクソになってぶつかっていく龍馬であり、長次郎(大泉洋)であり、添之丞(要潤)たちである。・・・こうした描き方は好感がもてるし納得もするのだが、それぞれに辛苦を超えているものの懐の厚さというような感じが見えないのが惜しい気がした。龍馬はもちろん、亀山社中の面々に、ひとすじなわではいかない俗性のような色が出たほうが、リアルじゃないかな、と。