犬たちの散歩

我が家の犬たちの散歩の時間は暑くなるから朝早く行こうとか、夕方に行こうとかなど我が家の都合では決められない。散歩にでる最初の数分だけだが、「サンポダー! サンポダーッ! サンポダヨーッ!」と尋常ではない騒ぎになるので、ご近所の車のあるかなしかを見届けて決まる。するとどうしても気温の上がった頃の時間になってしまう。

今朝(2日)は曇ってはいたが湿度の高さのともなう蒸し暑さになっていたので、いやな予感がした。でも犬たちの大きな楽しみ、それも一匹一匹にとってはわずかな時間なので、なんとか頑張って行ってやらなくてはと正午にかかる時間帯にスタートした。


近隣のお宅で、二匹の犬を放していらっしゃるので、その二匹がうちの犬の散歩を見つけると飛んでくる。すると我が家のノーテンキな犬たちは興奮してその犬の動くほうに踊るようにしてロープを引くので、こちらの力が倍も三倍も四倍もかかり、しかも右に左になるのでその負担たるや五倍はかかる。そうなるのを避けて、その犬たちに見つからぬよう、森の中を行くのだが、これは人間だけで散策するなら涼もよべてなかなかいいのだが、なにしろ最近整備された森で、森じゅうがモーグルのこぶ状態になっており、そのこぶの上や下を踏みしめて歩くので、しかも笹が大分伸びているのでこぶ以上に歩きにくく、時間は通常の道の倍、労力は感覚として10倍は違う。


今日(2日)はこれまでの暑さの疲労も蓄積されているせいもあったのだろう、予感通りどうにもならないほど参った。
でも犬たちは喜んでいたしよかったよかった、ではあったのだが、そうやって疲れきって眠っていたところに、何やらゴタゴタギコギコと鈍い音がして不自然に起こされた。疲労の自覚のある意識の向こうに音はじょじょにはっきりしてくる。「あ! お隣のガレージ側に行こうと柵を破壊している音だ!」と気づいてはああああっと飛び起きる。
そしてうっすらと白くなりかかっている外に懐中電灯を握って出てみると、やっぱりママシロが首つり状態になって足を柵にひっかけガタガタギコギこしていた。この前修理したばかりの柵は当然壊れている。

疲労と憤りと情けなさのあまり、ママシロの首から鎖をはずして家に入れるまで身体が震えるほどだった。
「私に死ねというのか!」
ママシロにひとこと放って気をはらすためにこうして日記にぶつけているが、こうした気晴らしをすること自体も情けなくて失意におちそうだ。