龍馬伝「勝麟太郎」
朝廷の使い三条実美が武市半平太(大森南朋)の先導で江戸城に入り、幕府の党首徳川家茂を下座にして接見していた時期と前後して、龍馬(福山雅治)も江戸の北辰一刀流千葉道場に到着する。
千葉道場の師定吉(里見浩太郎)の娘さな(貫地谷しほり)と兄(渡辺いっけい)はさなに会いに道場に戻ったと思っていたが、龍馬は、加尾に教えてもらった勝麟太郎(武田鉄矢)につてをたどって会いたかったのである。
そして重吉の尽力で会うことができる。
龍馬にとっては、勝との最初の出会いは苦いものになった。龍馬は勝を視野も料簡も狭い人間に見えたのだ。
この二人の出会いの場面には大笑いさせてもらった。龍馬伝では、岩崎弥太郎が笑いの役割を担っていると思ったが、それだけではなさそうだ。とにかく可笑しかった。心地のいいおかしみであった。
勝の前で、龍馬はこれまでとちょっと違う色合いを見せる。ぐうっと能動的な存在感を感じるようになってたくましさが出てきた。(拍手!!!)
武田鉄矢の勝麟太郎はすっかりなりきって面白かった。
私は武田鉄矢は、何年か前の大河ドラマで山内一豊の重臣になって戦死する時の演技が忘れられない。まるでいのししが、全身に矢を射られ、苦しみ抜いて死ぬような迫真の演技が素晴らしかった。
以後、武田鉄矢の芝居に注目しているのだ。彼流の勝麟太郎に期待をしている。