相棒 8-8 「消えた乗客」

<ネタバレしています>

夜の街を走る一台の路線バス。ある停車場に停まる。ドアが開き降りる一人の乗客。「ありがとうございました」と礼を言う運転手(松田洋治)。

次の場面。右京さん(水谷豊)と神戸くん(及川光博)の乗った乗用車。二人は、ドアが開いたままになっているバスが停まっているのに目をとめる。右京さんと神戸くんは知らないが、視聴者はさっきすでに見ているバスである。「いわくありげですねぇ」「なんでしょうかねぇ」というようなことを言いながら、右京さんと神戸くんはバスに入ってみる。
ここから今夜のドラマが始まる。


座席にマフラーやめがねなどがあり、つい今まで乗客が乗っていた風情である。そして、床に血痕のようなものとカミジョウマナブと記名されたICカード乗車券が。


米沢さんの考察で、客は四人と中島という運転手一人がバスから消えたとわかる。そしてバス会社に、『一億払え、でなければ客を殺す』というFAXが入る。その後消えた乗客の一人の保険の外交をしている女性(中川安奈)が自力でバスから逃げ保護される。この女性の証言でバス内で起こった事件の様子がわかる。犯人はカードの持ち主カミジョウマナブであり、血痕は運転手が刺されたものだということもわかった。


カミジョウはあっさり捕まるが、事件の日一日パチンコをしていた、というアリバイが成立しバスジャックの犯人ではないとわかる。
だが右京さんは、カミジョウが何か隠していると察知し、保険外交員の女性の話と運転手が誰かに恨まれていないか、という点から推理をしていき、四年前に硫化水素で自殺をしたある女性を巡って、カミジョウマナブと中島運転手の接点を探り当てる。運転手はかって高校教師で自殺した女性は同僚で恋人であった。カミジョウマナブはその女性につきまとっていたストーカーであったのだ。保管されていた女性の死の現場写真には、硫化水素のびんと、Mという記名入りのカードが添えられたアジサイの花束が写っている。これによって、女性の死は自殺ではなく、名前にMのつくカミジョウマナブだと確信し、今回の事件は、運転手の自作自演で、カミジョウを犯人に仕立てたとわかる。
バスジャックの様子を話した保険外交員はでっちあげを信じさせ、カミジョウを犯人とする共犯であった。運転手の動機は恋人を殺された復讐であるが、保険外交員の動機は、単なる運転手と乗客であって、他の乗客のいない間身の上話をするうちに、自殺の事件を外交員は知っており、そうした同情だという。後に外交員は、自分の仕事上の不正を運転手に知られて脅迫されたと話す。


釈放されたカミジョウのあとをつける右京さんと神戸くん。あとをつけていたのは二人だけではない。運転手の中島もである。中島は、右京さんたちより早くカミジョウの家に着き、カミジョウに硫化水素のびんをつきつける。
あわやという時、右京さんたちが到着し、カミジョウの罪をあばき、中島の手から硫化水素のびんをとるのだ。


こうして事件は全面解決した。・・・と思わせて、もう一転あるのが相棒である。
花里で右京さんの元妻(益戸育江)から「アジサイを男性が女性に贈るのは珍しい。アジサイは色がかわり、心変わりをあらわしている」と聞き、右京さんは気づくのである。中島を巧妙に操った存在に。
それは・・・・・<ネタバレ一応ここまで・・・>。


カミジョウが、取調室で、「俺はアジサイをおくるなんてしていない」と言ったので、これはアジサイにまつわるどんでん返しがあるのだろうな、とは思ったのだが・・・意外な結末だった。
神戸くんが、「女は怖い」とラストに言っていたが、私は怖いというより釈然としなかった。カミジョウへの復讐に、中島を人殺しにしようとしむけ、場合によっては中島は自分も死ぬ覚悟であったわけで、それらを承知で操作をするというのはどうもね〜。

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視聴率 18.0%


相棒8シーズン視聴率は↓に
http://d.hatena.ne.jp/maomao2008/searchdiary?word=%2a%5b%a1%fa%a1%d6%c1%ea%cb%c0%a1%d7%bb%eb%c4%b0%ce%a8%5d