高齢者の万引き

昨夜あまり眠らなかった夫が今の時間になって爆睡なので、今朝は注入をもう少し先にしようとひとつ記事をメモる。


昨日どこの何の番組だったか、スーパーで高齢者の万引きが多いということを実際の場面を盗撮した画面を流して伝えていた。忙しくしていたので詳細を観ていないのだが、スーパーのかごに自分のバッグを入れて品物を選び、かごに入れると見せてバッグにねじこんでいる様子は観た。最近こうした高齢者がとても多いのだという。


そこで思ったのだが、この現象は不況による生活苦などが根底にあるのだろうが、もしかしたら認知症の初期のあらわれではないか、と。
というのは、私は夫が認知症と判定される前、店の品物を手にとって平然と外に出ようとしたことがあるのである。近所の店の人から、「ご主人がタバコをもって家に帰られたのですが、いつでもいいですので代金をよろしくお願いします」と電話がかかってきたこともある。
のんきな私は深刻に考えず、「あらいやだわ〜、まるで万引きみたいですね〜、ハハハ」とすぐに支払いに行ったりした。
でもある時、一緒に電化製品の店に行ったのだが、この時、夫が持っていたカバンの口を開けて、いかにもすぐにそこに何かを入れようとする格好で棚の商品を見ていた。『なんだか、何かをさっとあのカバンに入れようとしているみたい』と思ってそこではじめてハッとなった。『夫はおかしい!』と。


この頃脳出血の後のことだったので病院に二週間ごとに行っていて、この話を主治医にしたら、「認知症の初期に万引きのような行為が結構見られるんですよ」と言われた。
その後私は気をつけていたのだが、短期間でおさまった。そして認知症は幻視や徘徊などというはっきりした形で出るようになっていった。


昨日の番組では、万引きをして見つかった高齢者たちがあきれた言い訳をする、と報じていたが、私はそのナレーションを聞きながら、『認知症のはじまりの人もいるのではないだろうか・・・』と胸が痛んだ。