お母さんが・・・・・

明け方のオムツ交換の時、夫は全身に驚くほどの力をこめて交換はもちろん、パジャマの取替えも拒否することがある。何かの感情の発露であろうと思いつつも、この時の私のストレスたるや惨憺たるものである。へこみかたも尋常ではない。こちらも鬼のような表情になって相手の力に負けまいと対抗しつつ汗びっしょりになりながらオムツをかえるのだ。


今朝方も夫の頑なな鉄の意志のこもった交換拒否にあい、ひどく参った。パジャマは汗でべとべとしていたし、なんとかさっぱりさせてあげたいとその一心のみで必死に対応していたのだが、次第にえも知れぬ暗い感情がこみあげてきた。癇癪をおこしてはならない、と自分を抑えながらやりきれなさにくじけそうになった。この場合のくじけるとは、何もかも放り出して空の闇に消えてしまいたいという衝動を抑えられなくなることだ。


その衝動が堰を切りそうになった時、「あ、お母さんが来てくださった・・・」という言葉が口をついて出た。夫はたじろいで力を抜いた。私は、「お母さま、よく来てくださいましたね。そっちがわをちょっともっていただけますか。次はこっちを・・・」。こうしてオムツもパジャマもさっぱりと交換ができた。


これは、プレッシャーと疲労と孤独感という奴の悪さですかね。本当に何年も前に亡くなった夫の母が「やれやれ、たいへんやね〜」という苦笑いの顔であらわれたのですよ。・・・二階の窓をいっぱいに開け放して、明けてゆく空をながめているうちに穏やかになってきました。なんとかなるでしょう。がんばろう。こんな時でも↓のようにドラマの感想が暢気に他愛も無く書ける私だ。今の苦境を乗り越えられないはずはないではないか。