たまゆらの火災

ネットのニュースに↓の記事が出ていた。

「有料ホーム」に該当せず? 群馬の老人施設火災1カ月
4月18日22時3分配信 産経新聞

 10人が亡くなった群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災で、実態調査をしている群馬県が難しい判断を迫られている。同施設には年齢による入所制限がなかったとみられ、有料老人ホームに該当せず、行政の監督権限が及ばない施設である可能性が出てきたためだ。業務上過失致死傷容疑で関係者らの立件を視野に入れる群馬県警も、損傷の激しさなどから、現場の再現実験ができない状況にある。火災発生から19日で1カ月。捜査は長期戦の様相を呈してきた。(楠城泰介)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090418-00000586-san-soci

群馬県は、この施設が県への届け出が必要な有料老人ホームの実態があるのに、無届けで運営していた老人福祉法違反の疑いが強い、というところから調査を進めてきたという。その後、年齢による入所制限が見あたらず、また施設には50代の入所者が複数いたことも分かったそうだ。
施設を運営するNPO法人「彩経会(さいけいかい)」の理事長(84)は、「救護的な施設をやっている」と話しており、この施設が「老人」を対象にした施設だったと断定できない状況にあるのだそうである。

有料老人ホームに該当しないとなると、行政の監督が及ばない施設になる可能性が出てきて、県は「法の目が届かないとなると、ずさんな運営がはびこる恐れが」と語っているらしい。


群馬県警の捜査も難航してそうだ。終わっていない。ある県警幹部は「素人が手作りで改築を繰り返し、木材をいろいろな場所で継ぎ足している。正確な実態把握にはまだまだ時間がかかる」という。

亡くなった10人の方のうち6人が東京都墨田区によって火葬されたそうだが、いまだ引き取り手が決まらない遺骨もあるという。

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このニュースを読むだけでも、今後こうした闇めいた施設は多くなる一方ではないだろうか、と思える。
私は夫の入院を繰り返してきたことで、身内・家族が引き起こしている、あるいは黙認している”ある現実”を目の当たりにすることがある。
老人医療・介護の制度を考える上で、不可欠のひとつは、行政側が”救済を含めた、家族と向き合う”ことがあるのではないかと思えてならない。救済を含めたというのは、施設や病院を姥捨て場にせざるを得ない家族の事情、ということだが、そうしないための意識が制度を作る側にあるのか・・・家族の意識の改革や指導もまた必要だということをも感じてならない。(わかりやすく言えば、高齢者が、”自分は捨てられた”と思いつめた、この日から、一足飛びに廃人になり命を失っていく現実があるということだ。これを見ぬふりをして高齢化社会を迎えることの後に社会はどうなるかを想像してほしい)


老人や認知症者、そして身近な生き物を、『もう死んでもいいんだ』『厄介なだけだ』とする社会は地獄だなぁと思いつめてしまうことがある。