オバマ大統領の演説を聴く人々の表情

演説をじいっと聴いている人々の顔が映し出された時、胸に不思議な高鳴りが響きはじめて涙があふれてきた。あの人たちの表情は、『やっと、他者が作りあげた像を見るのではない、自分の真実の思いに心を開いて向かい合ってくれる指導者が現れた』と言っているように思えたからだ。


人の多くは、風評や噂によってしか人を見ない。そしてそれを知っている、それなりの力を持つ一部の人は、そうした人の弱さを操縦して、自分の保身をはかり、自分に益のないとする人間を、回りに自分の罪と知らせず排他する。
こうやって作られた社会に、自由や博愛や義があるわけがないのだ。
オバマ大統領は、平和や経済の安定の扉を開こうとすると同時に、そうした圧迫に自らを制しながら、あるいは失って息をするのも辛く生きている人々の前にも解放という扉を開くだろう。


人は在り、来る、ということを知った思いがする。
私たちは、だからといって、依存の形でそれを喜んではいけない。来た人を助ける自覚をもって生きなければならない。


今日の真夜中に見た就任式は、そういうことを見せてくれた。