12日 次男が見舞いに来る

次男から、「お昼過ぎに病院に行くよ」という電話があり、それにあわせて病院に着く。
次男とは久しぶりだ。前はいつ顔を合わせたかも忘れている。都心からバイクで来たという次男は元気そうで安心した。


夫は萎縮しているように見える様相を見せて、痩せてしまっている身体を横に丸めるようにして、顔を布団にうずめている。次男が痛いような深刻そうな表情をしているので胸が塞がれる思いだったが・・・・・。


次男が帰ってから、「Tが来てくれたのわかった?」と訊くと、「うん」と頷く。「元気そうでよかったね」「うん」。
多分夫は、自分の今の姿、様子を、息子の前に恥じていたのではないか、と思う。
「食べられるようになったら家に帰って、元気になって安心させようね」
「うん」。


この後、いつものように熱と血圧をはかり、足や腕のマッサージ、髭剃りをして、それから、持っていた本を読む。昨日私は仕事で千葉まで行ったので病院に来れなかったのだが、その間に、同室の、私が本を読むのを楽しみにしていた人が隣室に移っておられ、もう一人の微笑みを返してくれる人も別の部屋に移られたのか姿がなかったので、夫だけのために読む。
それを聴いているうちに、夫は身体を伸ばすようになり、顔色も明るくなってきたのが見え本当に安心した。


プー1