若の鵬の八百長告白記者会見

ワイドショーのキャスターやゲストの人も言っていたが、若の鵬は誰かにこうしろ、こうすれば相撲界に復帰できるとそそのかされているように感じる。
かわいそうに。外国から十代の年齢で、しかも言葉も通じない状態で、厳しい相撲界に入り、懸命に努力してきたのだろう若者を、その躓きを利用して妙な方向に導くとは! そんな奴こそ悪者だ。むごい。


相撲界もまたろくなもんじゃない面はあるのだろう。八百長も行き過ぎたかわいがりも。
今回一人の挫折した外国人若者が人身御供のような形で動かされたことで、相撲界の汚れた部分が一応表立つのだろう。だが悪者に利用された若者を非情に追放することで、なにもかも元に戻るのに違いない。どこの世界も同じなのだろう。


私などプチ世捨て人になって、自分に何がおこっても、最後は、ま、こんなもんか、しかたないや、と生きていっているが・・・この世に夢をもっている健康的な人にとっては、本当に生きにくい。若の鵬やほかの追放された外国人のお相撲さんも、純粋にこの世界を信じて、横綱を目指していただろうと思うと、彼らが道をはずれた時、隠し立てや嘘の方便をさせるのではなく、しっかり守り、うそをつかさず、一から出直す道を導いてやる大人はいなかったのかと、きりきりと怒りのような悲しみのような思いがこみあげてくる。

彼らの今回の多分嘘も混じっているだろう自己正当化の姿は、本当に親身に自分のことを考えてくれる人のいない大人の中で、自分を守ろうとする懸命の言動であろう。今彼を嘲笑している人も、何かで彼の立場になったら、ヘボイカッコウになるんじゃあ?


こう思うからといって、私、若の鵬を相撲界に戻してあげればいいなんてもう思わない。もう仕方ない。自分の愚かな行いも、自分をそそのかした悪者も、相撲界の欺瞞も、一度しっかり受け止めて別の生き方を命がけでいくしかないよ。対象への怒り、不信は、悪者と縁をきって、ひとりでとことん闘えばいい。地位もお金もなければそりゃあ惨めな姿になるけど、そうするしか救われない。必ず未来は開けると思う。