粥が出た

電話で昨日から粥が出ることを知っていたので、今日病院に行く時、さぞかし夫は満足そうにしているだろう、と思っていたのだが、病室についたら、三人の看護しさんに押さえつけられて、点滴の針を腕に刺されていた。
看護しさんの一人が私を見つけて、「あ、奥さん来た! Sさん、奥さんみえたよ!」といかにもほっとした響きで言われた。それを聞いて、夫は私が休んだ昨日からいかに聞き分けなく迷惑をかけていたんだろうな、とわかった。点滴の針を今刺しているのも、夫が抜いてしまったそうだ。


夫は看護しさんに、「お前はバカだ、あっち行け」などと悪態をついて、足で蹴る真似までしている。
「昨日から食事が出てるんですけど、ほとんど食べなくて、また夕べから点滴なんですよ。でも抜いちゃってこの騒ぎ」と看護しさんは笑っておられたけど、心中は困っておられただろう。


この後車椅子で院内の散歩。プリンを出したら、あっという間にきれいに食べた。機嫌もすっかり直っている。福田さんの突然の辞任のことや、相撲界の騒動を話したが、「あ、そう」と無関心。


やがて6時になって夕食。全粥・ほうれん草と豆腐と魚をミキサーにかけたもの・トマトの摩り下ろし・果物の摩り下ろし・ゼリーが出た。全粥をわずかに残しただけであとはみんな食べる。(介助)
「エライ、エライ。この分だったら、明日は点滴とれるかもね〜」と言ったら得意そうであった。