40度を超える熱と痙攣

昨日、いつもの通り夫の看護をするために午後から病院に行く。そしていつもの通り、車椅子に乗せ、院内の散歩をしたり、ホールでテレビを見たりして病室に戻る。時間にすると40分ほどである。それからベッドに戻り昼ねである。夫がうとうとはじめてから、私はパソコンを開きそれに集中する。


ここまでは本当にいつもの通り何の変化もなかった。
ところが、昼寝からさめた夫をトイレに連れて行ったところに変事がおきた。足が立たないのである。立つには立つが、ブルブルと震えてその場に崩れそうなのである。どうしたんだろう? と思いながらその場でおむつを取替え、車椅子に座らせて病室に戻ったのだが、この間に手も、要するに全身がガタガタ震えだしている。
この時、熱が出ているのがわかった。おむつをとりかえる時、熱っぽさがあった。急いでベッドに横にならせ、熱を計ると39度4分もある。


土曜日で先生はお休みであったが、連絡をして下さり、5時には診ていただけた。先生は診察されることなく、右肩の下側に通していた点滴の管をとる処置をされ、「これで熱が下がりますから、様子をみてください」ということであった。
この先生のお話しと、あとで看護師さんに訊ねて聞いた言葉で、この点滴の処置は、口から充分に栄養のとれない患者に施されるものであるが、発熱に至る何らかの障害が出る場合があるようだ。(感染症などであろうか?)


とにかく今回、先生は他の病気の発症を疑っていらっしゃる風ではないので、かえって一応ほっとしたのだが、一度家に帰り、犬たちに食事をやって夜になって再び病院に入ったのだが、その時、夫の顔を見た瞬間ドキっとした。顔中が赤く、見るからに普通ではない。額にさわると、大げさな言いようだが、火傷しそうな熱さである。
熱をはかるとみるみり40度を超えるではないか。
もう生きていられない高熱だ、と思い目の前が真っ暗になる思いだった。しかも看護しさんは夜勤の一人だけになっている状況だ。まったく、救急車を呼んで別の病院にいきたいと思うくらい動揺した。


だが患者さんの病室を回っておられた看護しさんを探して高熱のことを告げると、夫の様子を見にこられたが、「大丈夫ですよ、先生に連絡して処置をしてもらいますからね」と平静である。
夫は水枕があてられてはいたが、身体を冷やす必要があるのではないかと思い、わきの下を冷やしたいと申し出た。「そうね、それはいいですね」と病室を出ていかれた。


私は、近くに薬店があったのを思い出し、そこにとんでいき、ねつさまシートと、水の入ったペットボトルを4本購入しまた病室にとんで戻る。
ペットボトルの2本を食堂の冷蔵庫の冷凍室に入れ、夫の額にねつさまシートをはり、脇に冷えたペットボトルをはさむ。この時、片側の脇に、すでに冷たい水枕がはさんであった。患者さんの病室を回っていると見えた看護しさんが、私が薬店に行ってる間に、この処置をやって下さっていたのだ。そして、先生が解熱の注射の処置もされていたようだった。


夫はまもなく熱が下がりはじめ、見るからに楽そうになってきた。
ひとまずほっとしたが、今夜は眠らずに付き添うつもりであった。が、全部の患者さんをみておわった看護しさんが来られて、あとは自分がしっかり見ているから帰るように、と言われた。大分表情が軽くなっていた夫も、そのような反応をする。
それで帰った。家についたら10時であった。


お茶漬けぐらいは口にしようという元気の出てきた私はお茶漬けをかきこみ、そうしているうちに、今夜はサッカーの試合があることを思い出し、「観なくちゃ!」と思った。そして、「サッカーが観れなくなる事態にならなくてよかった!」とも思ったのだから、なんとも私の気質はおきらくだ。でもこの気質が、どんな疲労にも過酷にも逆境にもウチカツのだ。


ナンチャッテ、今朝早く病院に行ったら、夫は熱も下がり顔つきも余裕があったので、今こんなこと書けるんですけどね。
サッカーも最後はひやひやしたけど勝利したしね。とはいえ、サッカーの試合は観れなかった。疲労にウチカケナカッタのだ。