ゴンゾウ「真犯人」

先週、ゴンゾウを見落としていたのだが、今日の2時からの再放送で観ることができた。
その回と、今週の「真犯人」の回をまとめて。


バイオリンニストのもなみ殺しの犯人の物証が出ていた白井晃が、ゴンゾウ内野聖陽)に拳銃で狙いを定め今や引き金を引こうという時、背後から佐久間静一(筒井道隆)が射殺する。
こうしてもなみ殺しの事件は解決する。


ゴンゾウは病が高じてもう刑事の仕事はできないと周りから思われつつ、備品係の部屋で外見的には躁的な日々を送り、佐久間は休暇をとって母親(有馬稲子)の介護の日々を送っている。
そんな中で、ゴンゾウは、事件の解決ということに今ひとつひっかりを感じてならない。犯人の白井晃が自分を狙っていた時の目が、はじめて人を殺そうとする者の目と感じてならないのだ。つまり、もなみ殺しの犯人ではない、という感覚である。


そうしてついに、ゴンゾウの感覚がその通りであるとしか思えない事態がおこる。ロリコンで引ったくり犯罪を繰り返していたニコラス(名前はわからないが、この俳優、めちゃめちゃ好演)の盗品の中から、もなみを隠し撮りした写真が何枚も見つかったのだ。そしてその中に、隠し撮りではない、極度に緊張した表情の半裸の女性(すみません、名前をよく知ってる女優なのに度忘れしてしまった)の写真があった。


この女性、誰あろう、刑事の高橋一生が、ベテラン刑事の綿引勝彦を刺させる結果にしてしまった、自分を信頼していた前科のある男の姉で、しかも調べてみると、子供の頃のバイオリンの審査会でもなみとからんでいたのだ。
また、白井がゴンゾウの正体を知った件で、警察の内部の者が情報を漏らした疑いが出ていたのだが、この情報を漏らしたのが自分だと、本仮屋ユイカが気づくのだ。彼女が撃たれ助かったのは、犯人に、目撃者となるように計算されてわざと急所をはずされた、ということもわかる。足を引きずって歩く、という姿の目撃。これは白井晃を犯人に仕立てるわなである。
白井晃扮する、テロを企んでいた寂しがりやの寂しいが故に愚かさに寄っていった歪んだロマンチストはもなみ殺しとは無関係で、狡猾で残忍な実犯人は別にいるのだ、ということである。


呆然とする、ユイカ。思い当たることがあったのだ。
ゴンゾウもまたあることに思い当たる。三年前、自分が愛した女性(池脇千鶴)が惨殺された最後の言葉、「この世界に愛はあるの?」が、犯人を知らせるためのメッセージであったことを。


こうやって真の犯人が、視聴者の前に正体を現す。


先週まで、バラバラだった登場人物が、先週のラストで、真犯人追跡のために一点に集まっていく。・・・この演出が例えば「七人の侍」で、七人がそろってくるに従って、観ているものは気持ちが高揚してくる、そういう爽快感、面白さをそそるものがあった。ゴンゾウ高橋一生、ユイカ綿引勝彦(スッゲェかっこいい)、備品係の女性である。そして、佐久間がここに連なることは確実だろう、とも。もう一人は、ゴンゾウの理解者の刑事。
この七人が、次回最終回にはそれぞれの役割を果たすのだろうと思う。そして、誰かが死ぬ、という運命も。・・・続編を切望する視聴者としては、誰も死なないで欲しいが。