ゴンゾウ〜伝説の刑事 4話

やっと天野もなみ(前田亜季=好演かつ清潔な笑顔が素敵)を殺した犯人につながるところにきて、俄然面白くなった。

今週は、天野もなみの両親も登場し、彼女の日常が露になる。どうもキャバクラでバイトをし、そこで知り合ったお金持ちの男性から生活の庇護を受けていたらしい。いわゆる情婦になっていたらしいのだ。
このことを、佐久間静一(筒井道隆=2話までこの刑事はヒューマンな存在なんだと思っていた。先週から複雑なトラウマを潜めていると知って一層関心が強くなった)は情け容赦なく、年をとってやっと授かった娘であったもなみを失って打ちひしがれている両親に確認と称してつきつける。佐久間は、もなみを、「たいした天使だな」と冷笑する。激しく反発する黒木俊英ことゴンゾウ内野聖陽=最初は濃密な挫折に傷ついた男と見ていたのだが、むしろ透明感を感じる。しかも自然体でいい)。

結局、もなみは、ゴンゾウが感受していた通り、清廉な心まっすぐな女性であったことがわかる。だがこの展開の中で、もなみがいつか両親に会わせたいと思っていた男性がやくざに刺されて死ぬなど、悲しい経緯が。男はゴンゾウに電話をかけ、「もなみは金で男による女などではない。俺なんかの情婦じゃない。もなみを殺した犯人を捕まえてくれ」と言うのだが、そこで付け狙っていたやくざのチンピラに殺されてしまうのだ。
こういう汚れた男と魂清らかな女性との純愛・・・私は大好きである。

そして、もなみと鶴(本仮屋ユイカ)を撃った犯人はまだ闇の中だ。

今週のラストに、佐久間の意外な家庭が明かされる。佐久間は美しい妻と暮らし、エリートコースを順風満帆に突き進んでいるように回りで思われているが、自宅に帰ると、照明もつけず暗いままの家に、身体の不自由な高齢の母親がベッドから転がり落ちており、佐久間を罵るのだ。なんと、この母親が有馬稲子なのである。

こうやって刑事たち一人一人が抱えている事情や重荷もわかってきて、ますます目が離せなくなった。