般若心経 絵本より

欲望にとらわれた人間の醜い姿とさとりを求める人の清らかな姿とはまったく正反対に見えるけれど、どちらも同じハンニャハラミツの大海の永遠の動きなんだ。
欲望の心も、さとりの心もひとつの真実のあらわれなんだね。
欲望をいちがいに悪いもの汚れたものと決めつけていたら、この世の深い真実はつかめない。
善悪という人間の基準からだけではなく、もっと広く大きなハンニャハラミツの海そのものから眺めてこそ、わたしたちが生きることの真実の姿はつかめるんだね。

                          作 諸橋精光 般若心経 絵本(小学館

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「月のはじめに」というのは、ホームページ「風立つままに」の目次に、月初めに書くコメントのことです。五月は、月のなかばに、になりました。
最近、般若心経と空海を読みふけっているので、その中から書きました。これは絵本ですが、とにかく感動しました。直に胸の底に響いてきます。