寺にて

15日の土曜日に、お寺に行きたいと思い、夫に一緒に行こうと言ったのだが、「おれはいい」というので、一人で行った。最近、少しの間は留守番をしてくれる。


その寺は、M子さんから先月聞いていた寺だ。法話歎異抄の読み会を開いておられるので、行きたいと思っていたのだが、日程が合わずまだ行ってなかった。
土曜日は、寺の行事の予定を知っておこうと、道路沿いに立っている案内板を見に行ったのである。


案内板の張り紙を見ながらノートに写していると、背後を通りかかった車が私の傍で徐行になったのがわかった。そして止まりドアが開いた。・・・と、「あのう」とすぐ後ろで声がした。振り返ると黒い洋服の女性が私を見ている。そして、「なにかイベントがあるんですか?」と言われる。
「イベントというのではないですが・・・」私はもごもご答えた。どう言っていいかわからなかったのだ。
するとその女性は、「こちらの方がいいですよ、これをごらんになってください」と手に持っておられたカラーのチラシのようなものを差し出された。チラと見て、それがある宗教の布教チラシだと察した。


ひどく不愉快に感じた。
寺の予定を書き写していた人間を、「悩める人・・・」と思われたのだろう。この想像力はいい。ただ不快なのは、そんな寺なんかのよりこっちの方がいいですよ、と言わんばかりの行為に潜むものに、だ。