親の様子

今日は千葉行き。片方の目が不自由になり、ちょっと精神的に調子のよくない継母の陣中見舞いだ。
先日付き添った病院の先生のお話では、身体は大変健康で心配な要素はまったくないですよ、ということだったので安心はしているのだが、やはり片方の目がよく見えなくなると不自由な感覚などもありストレスは大きいようだ。
そのせいだと思うのだが、とにかく尋常でない大食で、会うたびに確実に太っている。
そして何より気になるのが微妙な変化。例えば私に、「Kさん、髪ぐらい染めなさいよ。みっともなくてしょうがない」と怒り口調で言うのである。
継母は私が二十歳の時に父と結婚した人なのだが、真意はともかくとしてこれまで私には遠慮がちで、こういう言い方をしたことがない。年をとって実の親子の感覚になったのだ、とも思えなくもないが、どうもそういう感じとは違うような・・・微妙な???なのである。

ま、いいか、なるようになるの心境でせめて優しくしてあげたいと思う。優しくしてあげたい、と言葉にしてしまうと傲慢だが、なにしろこれまで私は継母に素っ気なさ過ぎた。(だいたいたいていの人にそうなのだが)
継母から、我がままで死ぬまで未熟だった私の父は本当によく尽くしてもらった。
その父が死んだ後、継母は「実は中国に戦争中に行き、そこで娘を産んで敗戦後置いて日本に帰った」と告白した。これを聞いた時、継母の苦労が胸に痛く、何としても娘さんを見つけてあげよう、神様が継母に恩返しをするチャンスを下さった、と熱い思いがこみ上げたものだ。
そして友人たちの協力を受け、三人の娘の消息がわかりその年中国に行ったのだった。

私はこの経緯を、ひとつの恩返しをした、と思っているのだが、本当の恩返しはこれからかもしれない。
現在私は福島の動物たちの痛ましさに傷つき、自分の体調もよくないぐらい思い詰めているのだが、
この問題をはなれ、老いてやや危なげになっている継母をゆったりと見守ってあげたい。・・・今日しみじみとそう思いながら帰ってきた。