ここのところ眠れない理由・・・高齢者に差し押さえ

一昨日のこと、ある都市銀行で順番を待っていると、隣りにおられた高齢の男性の方が順番がきて窓口に行かれた。男性の行員さんが彼に立ったまま応対された。高齢の方が耳が遠いと思われてのことか行員さんの声が大きくて、聞くつもりはなかったのに内容が耳に入ってきた。

行員は既に相談されて預かっていたらしいカードを高齢男性に差し出して、「差し押さえられているようですね。だからこのカードも使えなくなっています。年金も差し押さえに入っているから口座も停止になっています」という意味のことを言われていた。
私はあまりに内容に、『この方はご家族がおられるのだろうか、年金も口座も差し押さえられた暮らしは成り立つのだろうか、今日の食事にも困窮されるのでないか、役所は温かい対応をしてあげるのだろうか』といろいろな思いが渦巻いて重くてならなくなった。

http://d.hatena.ne.jp/maomao2008/20101027/1288168991


それにつけても思い出すのは、何年か前、近所の、息子さんを不慮の出来事で亡くされた、その息子さんの持ち家で同居をされていた高齢の女性が、税金を支払えず、その家を差し押さえられていなくなられたことだ。
こうした事情によるものと後に知った私は、やはりしばらく眠れなくなった。
『事前に知っていたら、役場に駆けつけて善処をしてほしいとどんなにでも頼んだのに・・・、そんなことで法律を動かせられないことはわかるが、別の角度から、救済の道を作れたのではないか、それをしないのは、しようと決めないからだ、息子さんを突然に亡くされた老女の行く末をわずかでも考えてあげなくては、という気持ちがあったら、法律を無視するのではなくて、違う点から別の救済ができる処分があったかもしれないではないか・・・私はその方法を探ってほしいと、土下座しても頼んだのに・・・ほんとにそうしたのに・・・』と苦しかった。

人はどうしたのだ!目の前の命すらかかって苦しんでいる当事者を、結局、自分の都合にあわせた一番楽なところでしか向き合わない。行政に携わっているものの特権は、”救済できる道を探る”にあるのではないのか!違いますか!?