まちの犬のシロの謀略=共生

夕方暗くなって車で行くある森にある猫の食卓。
夕べもいつものように行ったら、時々みかけるまちの犬のシロの姿が。「あ、今フードをおくとあのシロくん(ちゃんかもしれない。どこかの飼い犬のようだ)にみんな食べられちゃうなぁ・・・」と躊躇していると、シロくん、一度こちらにチラと視線を流し(薄暗いがこういう気配はわかるのである)、とっとこ隣接している畑の方に入ってしまった。
「あ、なんだ、フードのことは気にしてないんだ」と私はほっとして車からおり、いつもの場所にフードをおくと車を発車させた。

すると、ちょっと行った先に、シロくんが、畑のビニールの囲いの影から明らかに私の車を意識して見送っているのがわかった。
「あれ?」と思った私は右に入る小道に入って迂回し、そこに戻ると、シロちゃんがせっせとフードを食べていた。そして私が戻ってきたのを見て、「ヤバ!」という緊張をした。
「いいよ、いいよ、シロくん、きみ、あっぱれだよ。人間と共生するって、きみらから言えばこういうことサ」
私はそう言って手を振って走り去った。


それからしばらくして、きっと森のどこかでシロくんをやり過ごしていたに違いない猫のために、もう一度そこに行った。思った通り、いつもの猫が、「やれやれ、ふぅ〜」と苦笑いしながら出てきた♪♪♪