サキヨミLIVE 介護特集のムナシサ

フジテレビ22時からのサキヨミLIVEを観たのだが、清水由貴子さんの自殺を通しての介護特集のあまりの虚しさに落ち込んでしまった。いったいこの人たちは、どういうつもりであんないいかがげんなことを、さもわかったように言えるのか?


介護制度ができたのは、介護を個人の問題ではなく社会の問題として考え、個人が全てを背負わなくていいように出来た、と言われていましたが、それは建前でしょ? 実際は、就職できない人が溢れるのをくいとめるためですよ。あなたの親御さんかご伴侶を預ければ、数日でそれがわかりますよ。どこのパンフレットも高齢者の尊厳だとか、普通の暮らしが出来るようにだとか書いてありますが、そのための実際の介護の努力を誰がしているでしょう? もちろんしようとしている人もいるでしょう。でもその人たちは、利用するこちらが掬い上げ励ましてあげなければすぐに潰れる軟弱さです。なぜなら、介護職を目指している人の意欲や熱意を育てるシステムがないのです。そんな中で、わずかな学びをして介護の現場に来た人が、尊厳だのをわかって扱いにくい高齢者や認知症者に対することができるでしょうか。


私は、介護制度は、就職口の必要な人のためにできたんだな、と深く深く強く傷ついて途方にくれていますよ。
現在は夫は病院に入院していますが、そこで知り合った、痩せこけて寝たきりになっているご主人を介護している方が、「うちのね、恰幅がよくて、脚もしっかりして、もちろん自分で食べれていたのよ。でも認知症で、私が身体が弱くて、ある施設に入所させたら、一年半でこんな状態になったのよ。あそこに入れなきゃ、絶対にこうはならなかった。私さえ身体が丈夫だったらそうできた」といって唇をかみしめられました。こういうことはとても多いのですよ。経済の問題も施設によっては不透明で高額で、清水さんは追い詰められている全ての人にかわって死なれたのだ、と泣けてしようがないです。


それから、別のゲストの方が、介護者が一人で背負わないで、近所の人にもわかってもらって、世話を頼んで・・・というようなことを言われていましたが、思わず、「アホか、恥ずかしくないのか、この人は!」と吹き出してしまいました。これが特集ですからね、のんきなもんです。


介護制度が、本来の機能をもつようにするには、まず人材です。経営者→就労者の人材。今日本の介護施設がいくつあって、何人の経営者がいて、どのくらいの職員がおられるか知りませんが、まともな人は、一万分の一人でしょう。これは高学歴とかというばからしい人材という意味ではないですよ。


私は自分が介護を受けなくてはならない状態になったら、マジで、犬や猫に介護してもらいたいっす。


ちょっとこの番組に怒り過ぎて、言い過ぎていますが・・・我慢はもうしたくないので。人の死を引き合いに出して特集組むなら、もう少しましな発言できる人探すべきですよ。(まだ腹が立っている!)


追記:夫は介護制度スタート時からディサービスとショートスティを利用してきましたが、これまでの年月の中で、裏表なく責任を果たされ、信頼していた介護し、ヘルパーの方はいらっしゃいました。なぜかそういう人は姿を消してしまわれる。今でも、そういう中の一人の方を私は探しています。なぜあのような人が経営者から疎まれるのか。ここでも経営者の質の問題だと思っています。逆のケースも多いです。とにかく介護制度は、最も大事なことをおざなりにしてスタートしてしまった、と思えてならないです。