救急車

犬たちのほえ声と救急車のサイレンの音とどちらが耳に入ったのかわからないがはっと起きる。救急車のサイレンの音が間近に聞こえて、犬たちがその音に呼応した声をあげている。犬を静かにするためにすぐ外に。玄関のドアが開いた物音を察知していぬたちはすぐにおさまった。叱られるのがわかるのだ。
外に出ると、救急車が角のお宅の前に止まっているのが見えた。ご夫婦と就学前のお子さんのおられるお宅だ。こどもさんが運ばれたようだ。遠めだがご夫婦の様子に緊迫した感じが見受けられなかったので少しほっとしつつ、心にたいしたことのないように祈りながら家に入る。
救急車がまちを走っているだけで胸がしめつけられる。見かけるたびに運ばれる人のために祈る。